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2005年05月15日

ジョルジュ・ド・ラトゥール展

東京に遊びにきた友人と一緒に上野の国立西洋美術館で開かれているジョルジュ・ド・ラトゥール展に行ってきました。本当は友人が別の日に一人で行く予定だったのですが、間違えてゴッホ展の方に行ってしまったそうで。特に行く場所も決まっていなかったので行く事に。

ラトゥールは17世紀のロレーヌ(今のフランス)の画家です。副題の「再発見された神秘の画家」にあるように、20世紀初頭に再発見されるまで歴史の闇に埋もれていました。サイトトップの絵《聖ヨセフの夢》を見てもらえば分かると思いますが、光と闇の描き方がほんと見事で美しいです。現物はもっと美しいです。

ラトゥールの作品には「昼の情景」と「夜の情景」がありまして。光源が蝋燭だけの「夜の情景」の作品でも、明暗が現実以上に強調された作品とそうではなく全体的に調和がとれた作品があります。僕はどちらかというと、前者の方が好きでした。絵画だからこそ描く事のできる美しさが良かったです。

また、この画家は徹底したレアリスムを追求していまして。キリストと12使徒を描いたシリーズがあるのですが、比較として並べられた同時代の画家の絵には12使徒が神々しく描かれていて浮世離れしている感じがするのとは対照的に、「ああ、こんな人いそう」と感じる一方、なおかつ人間としての迫力が伝わってきます。

40点しか残っていないのが残念な画家です。余談ですが、真作の数があまりにも少ないので、模作がかなり価値があるそうです。

首都圏在住の方、または東京に来る予定がある方、お勧めします。

2005年05月15日 22:20

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